そろそろ引っ越しシーズンということでわれわれの業界は日々バタバタしてきておりますね(笑)
そろそろ上京してくる方も増えてくるタイミングですしお部屋探しの情報というか薀蓄を書いてみたいと思います。
不動産業者さんに行くと貰える募集図面、チラシ、間取り図などをご覧になるとわかりますが、だいたい右下の方に小さく
「専任」とか「一般媒介」
とか書いてあるのに気づかれるでしょうか?(他にも代理と貸主とかありますがとりあえずここではややこしくなるので省きます)
これは業界用語上「取引の態様」と呼ばれるものでして、多少⁈一般ユーザーの方にも関係•影響があります!
宅地建物取引業とは
すなわち
不動産を
買いたい借りたい人
と
売りたい貸したい人
を
繋ぐお仕事と言えますね。
もちろん他にもいろーんな仕事があるのですが、ここではこれぐらいにしておいて(笑)
そういった仕事の約束事を細かく規定してあるのが
「宅地建物取引業法」
という法律であります。
そういえば最近宅建講座ユーキャンでも宣伝してますね。向井理クンステキだな~(笑)
みなさんもご存じの
この
「宅地建物取引業法」
には前述した「取引の態様」について、売買契約については細かく規定がされているのですが、何故だか賃貸契約については明確な決まりはないのです。
明確な決まりがないから困ることもあるのですが•••。
話がそれましたが、
先ほど書きました
「専任媒介」とは
大家さんが☆の数ほどある業者のなかで
「おたくさん一社だけに仲介(管理)をお願いしますよ」
ということです。
大家さんから依頼を受けた業者の事を業界用語で「元付(モトヅケ)」といいます。
この呼び名は専任・一般でも変わりません。
もちろん依頼された宅建業者は自分の会社に来られたお客さんだけに紹介しても良いし、
「専任依頼を受けなかった他の業者」
にお客さんを探して貰うように依頼もできます。
これを業界用語で「客付(キャクヅケ)」といいます。
「一般媒介」
とは逆に
大家さんが、複数の業者さんにお客さんの仲介を依頼することです。
エンドユーザーの方から見ればどちらもあまり変わるようには見えないと思いますが業者側は結構大変(笑)
一般媒介の場合、たとえば他業者で入居申し込みがなされたかどうかの空き確認は必須であります。
専任依頼を受けている物件はオーナーとの信頼関係が強固な場合が殆どですから、例えば家賃や契約開始日の交渉など、入居希望者の方からお問い合わせに対し対応がききやすいですね。
それと結構大切なのですが、見落としがちなことです。
「他の部屋にどんな(性格の)人が住んでいるか把握できている」
ことなのです!
たくさんの業者に依頼している一般媒介の物件の場合、例えば隣室の入居者が問題行動を起こしている場合、素早い対応ができないのです。なぜなら自社で仲介していませんので!賃貸なのに分譲マンションに住んでいる感覚に陥ります。こういう場合はオーナーさん経由でクレーム対応となるのですが•••。
他の入居者の属性を把握していると、「こんな言い方で接すればいいな」とか柔軟に対応できるのですね。
マメでキチっとされたオーナーさんであればなんら問題ないのですがそうでない場合も結構多いので、ご注意されたほうがいいかもしれません。入ってみないとわからない部分もあるからなかなか難しいですが・・・
オーナーさんにとっては
「早く決まればどこの業者でも構わない!」と明言される方もこんな時勢だけに正直多いですし、たとえば当事務所でも取引させていただいているのですが、都内で100室以上所有される女性のオーナーさんがいらっしゃいまして、このオーナーさん、電話すればどんな業者でもOK!(笑)多分ご自分でも覚えきれてない!
たまにお会いすると
「なんで他の大家さんが専任依頼するのかわからないよ!専任なんてわたしは絶対しない!」
とおっしゃいます。
このオーナーさんはかなりの年配の方なのですが、入居者からのクレーム、滞納時の督促、敷金精算など入居者対応を全てご自分でなさって、よっぽどのことがない限り業者には相談されないスタンスなので、そういった覚悟のある方はそれでも良いのかもしれませんね!
昔ながらの老舗業者さん(免許番号でいうなら六とか七以上)は専任物件しか扱わないというところも多いですが、業歴10年ぐらいではまだまだヒヨッコでごさいますので、そういう訳には参りません。もちろん他社さんでも依頼されているお部屋でも喜んでご紹介させて頂きます。
話がまたまたそれてしまいましたが「専任」だから良くて「一般」だから悪い物件とかそういう意味ではありませんので誤解なさらないように。さらにいえばみなさん【築年数】を気にされると思いますが、一概に古いからダメで新しいから良い物件かっていうともちろんそういうこともありません!
要はマメなオーナーさんの物件が私は一番良い物件だと思います!
業者目線で言わせていただきますと、やはり専任で募集させて頂くのが、他社の動きを気にせずできるわけで、一番仕事はやりやすいですし、ヤル気は俄然出るのです!やはりたくさんの同業者さんに頼んでいるオーナーさんの物件よりは、専任や管理を依頼されている物件にチカラが入るのは人情だと思われます。
最近は業界もご多聞にもれず弱肉強食に拍車がかかりルール無視な業者さんもかなり増えてきておりますので生き残りも大変ですが(笑)
例えばですが、
「別に決まればいきなり訪ねてきた知らない業者でもどんどん依頼する!」
オーナーさんか
「長年の信頼関係があるからやたらと頼みません!」
オーナーさんでしたらどちらとしっかりビジネスを続けていきたいでしょう?
半年も8か月も成約できないようであれば業者も責任の一端はありますが、空室になってすぐになんでもカンデモ精査されずに依頼を受けられてしまいますと、やる気はなくなるのは自明の理でしょう。20年前と違ってよりオーナーと不動産業者の協力態勢が重要になってくると感じております。
上記のような理由で、あまりにも募集業者さんが多い物件に関しましてはお断りするケースがございます。